Standing Tinco Belay

目指せセクシー登山部

浅草岳 山スキー 2023/4/2

ド快晴!


2013年の冬に北岳へ一緒に登った"犬さん"に誘って頂き、山スキーへ行った。

 

尾根通しに歩き、下降は尾根通し。朝は雪面が固くて少し怖いところもあったが、日が昇るに連れてだんだんと雪は緩み歩きやすくなった。雪庇が割れかけているところもあり、山頂には雪が無かった。この雪の少なさからすると、今シーズンはスキーは終わりかけだと思う。。

 

晴れまくってたのでスキーウェアではなく、ベンチレーションのある雨具で行ったが正解だった。3時間半程度で山頂へ着き、下りはスキーであっというまの、とにかく晴れて気持ちのいい山行だった。

 

朝方は悩み事を考えてしまい・頭もボケていたが、歩きつづけることでなんとなく解消された。自分の場合は標高差500m~程度でモードが切り替わる気がする。

心拍数×時間で定量化できたら他のスポーツにも一般化できそうだ。

 

関連業界の大先輩である犬さんに、人生相談ができたのがすごく良かった。

時間

06:00 起床 近くの道の駅

07:00 除雪終了点

10:40 浅草岳

12:30 下山

 

野伏ヶ岳 山スキー

今シーズン初の山スキー

とりあえず滑り降りれたので良し!(技量はノーコメント)

 

2/18土 野伏ヶ岳

07:30 白山中居神社

11:23 野伏ヶ岳山頂

13:00 白山中居神社

13:50-14:15 麓でイグルー作成して泊まった。

      約1時間。スピードは悪くないが小さくて一人用になってしまったのが反省。

 

イグルー作成について

意外と標高1000mでもイグルーは作れることが分かった。発見である。雨の中、イグルーの上にタープを張って寝た。

正方形に積む。一か所は入り口用にブロックを外しておく。標高低くてもイグルーに使える硬くて軽い雪(カタカル雪)は雪中に存在する可能性がある、そのエリアを見つけることが勝利条件となる。

 

 

滝谷 第2尾根 P2フランケ芝工大ルート

P2フランケ芝工大ルート5P目

 

1日目

時間

前夜に韮崎でピックアップしてもらい、松本あたりで寝る。朝9時ぐらいまで寝てから、新穂高に車を泊めて滝谷へ。晴れわたる青空と雪のコンディションは、まるで4月のようだった。

11:45新穂高温泉 無料の駐車場

13:30 穂高平小屋

16:00滝谷避難小屋

 

2日目

3時半、滝谷出合から歩き出す。雄滝は左岸のIII+~IV-級5mぐらいのアイスを登ったが、アックスを全然研いでなかったし、アイゼンの前爪も丸まってて全然決まらず怖かった笑。

ザックを第四尾根末端で一つにまとめておく。あのあたりは少し樹木が出ている。

第2尾根 P2フランケ芝工大ルート/南峰チムニー

1P目ホサカ 30m 4mの壁を乗っ越して雪壁

2P目つ   50m 雪壁登り岩尾根上でビレイ

3P目ホサカ 20m IV+ 岩尾根を登りルンゼに入る基部でビレイする。古い残置アンカーあり

4P目つ    30m M4 核心 フッキングで登る 。グレーディングするならM4(しらんけど)

5P目ホサカ 15m 稜線へトップアウト

 

P2の基部まで来ると、クライマーズライトに登山体系の概念図と一致する壁が出てくる。

1P目

そのま雪壁をまず登っていくが、ワンポイントの悪場がでてきたので、ロープを繋いで登攀開始。ワンポイントだがムーブがあり、面白い。(もしかすると迂回できるかも)

2P目

そのまま、つるべでロープを伸ばす。岩肌の上に、雪が積もった感じでリードとしては少し怖かった。

3P目(IV+)

岩尾根の上に乗り、20mぐらい登って、ルンゼの基部でビレイ。

4P目(M4 30m)

ルンゼに入り、核心がはじまる。最初は、手を使って登れる簡単な岩を登っていくが、徐々に難しくなり、ホールドが細かくなってくるので、フッキングで登った。足は側壁に張れたりするが、フッキングポイントが少し甘いが、傾斜は90度以下なのがマイルドポイント。

 

クラックは錫杖に比べると少ないので、取れるところでランナーは取る必要がある。

手持ちのカムが少なくなったので、途中で切ったが、強い人ならつなげることはできると思う。

5P目(M3~M4 15m)

トップ写真。凹角に走るクラックがきれいになる。そのままP2の頭へ抜ける。

 

(グレーディングは適当です)

 

 

南峰チムニー

登山体系だとIII級だがガバホールドは全く無くて、難しかった。デシマルグレードで5.8~つけて良いのでは?アイゼンでワイド登りができる必要がある。ホサカは1~1.5hでリード。上部20mいったあたりでは何メートルもランナー取れてなかったし、やはり彼は強い。

俺はザックを背負ってフォローしたが登りきれなかった。チムニーに入るためザックを腰に垂らしたがやはり厳しかった。しょうがないのでユマールに切り替えたが、登るのにかなり時間がかかり、途中でロワーダウンで降ろしてもらう。摩擦でロワーダウンにかなり時間がかかった。

 

下山

取り付きに戻ったら18時ごろになってた。俺は少々ヨレてたと思う。暗闇で怖い中、C沢の左俣の左俣を下降した。途中で懸垂など無し。荷物はホサカが持ってくれて、さらに彼が先導する中で降りた。標高を下げていくと、変な雨が降ってて大きな雪団子が毎回、足について面倒だった。

雄滝で1P 懸垂。ちょうどよいアンカーとなる木が雄滝の傍になかったので、雄滝左岸のごく小さな尾根を乗り越えて、アイスの発達する小ルンゼを40m下降。

時間

02:00 起床

03:30 出発

06:50 P2フランケの取付

12:45 P2の頭

   ~コンテで南方チムニー取り付きへ。ロープ60m出してのトラバースは、ロープが長すぎてロープスタックして処理に手間取った。コール聞こえない~

14:00 南峰チムニー取り付き

15:15 保坂1p目終了 リード1-1.5h

18:00 南峰チムニー取付

22:00 滝谷避難小屋

24:00 新穂高温泉

概念図

出合から見た滝谷

(間違ってたらすみません(汗)。)

 

 

感想

久しぶりにホサカと登った。

山でロープを組むのは3年ぶりだと思う。積もる話ができた。昨年のシブリン遠征の話を直接聞けたのは良かった。さらにGiri Giri Boysの強さの秘訣や、GiriGiri Boysに続くアルパインクライマーが出てこない理由などを色々と議論出来てよかった。

 

一方で山岳ガイドを目指す彼と話すことで、自分が人生において選んだ選択肢、そして選ばなかった可能性について考えさせられた。

隣の芝は青く見える。

得なかったもの・選ばなかったものについて、人はどうしても意識が向いてしまう。そうでは無くて、得たもの・現在手に持つものに意識を向けることが、これからの人生を発展させるのだと思う。

自身を顧みると、直近の6年間は何とかヒマラヤに再挑戦したくて、モラトリアムの延長を続けた。けれど実際のところ山をやり込めなかった。それは結果的に見ると、当時の自分の無意識的な選択「山を優先しない」ことの現れでもある。一方で、この判断が自分自身の能力に対する過剰評価・そして慢心も含むことについて大きな後悔を感じる。

 

過去は絶対に戻ってこない。

この一瞬しか存在しない現在に集中し、手札の許す範囲で登り続けて能力を上げること、そして必ずめぐってくるヒマラヤへのチャンスを信じ続けること、そんなことを思える登山だった。

P2の頭にて

 

P2フランケ芝工大ルート4P目

(写真真ん中から右上する壁が第一尾根。尾根上部に見える、岩が灰色になったエリアが近年、壁が崩壊した地点とのこと グレードはM7~M8!)

 

錫杖岳 冬期 左方カンテ

錫杖岳 左方カンテ

因縁のルートだった冬期の錫杖岳 左方カンテをようやく完登できた。

今までに計4回取り付いたが完登は1回のみ、また完登したトライも決して自分のクライミングと言えるものではなかった。

今回3P目と6p目の2つの核心をリードさせてもらい、自信を持って左方カンテを登ったと言えるようになった。

ずっとクライマーとしての停滞が続いていたが今回の登攀を経て、以前より成長したと胸を張って言える。

一方でヒマラヤを目指すには、登攀スピードが大きな課題であることがわかった。

今回の壁は約高差250mだが登攀に2日もかかった(不要な荷物はデポ)。

1000mの壁をヒマラヤの高所で登るためには、荷物を持った状態で素早く登れるようになる必要があることが身をもってわかった。

できる限りトレーニングを積んでいきたい。

(後日、堡塁岩で10kg程度の荷物を担いで登攀を行ってみたが疲労感が激しく、良いトレーニングになった。荷物を担いでリードすることが当たり前になるようになれば身体もデカくなって強くなると思う。)

1P つの

III級ぐらいのミックスを登る。木の根から支点はとれる。快適。

2P norishimi

ガバのハングを超える。アックスのかかりはとても良いが、大きなムーブとなるため、冬壁に慣れてないとしんどいし怖く感じるだろう。

3P M5 つの

まずはピナクルの上に立ち上がり、クラック沿いにフッキングしながら足を拾っていく。パラレルなクラックなのでランナーはとりやすい#1~2程度。

草付にアックスを打ち込めたら第一核心は終了する。そのまま凹角を上がっていくと、ルートをロスするので、草付きの上に立ち上がったら右へトラバースする。

ところどころで細かいカムが決まったと思う。0,4ぐらいがトラバースする上で重要なプロテクションになったはず。雪を払って足やフッキングポイントを拾いながら上がると終了点に到着。

4P norishimi

凹角に入りステミングやフッキングを駆使して登る。ムーブがあって面白い

5P つの

凹角にベルグラを使って登っていく。ワイド登りで傾斜は殺せる。トライカムなどでクラックからプロテクションはとれる。凹角を超えたあとは雪壁を経て、少しボロい階段状のフェースを5mほどあがる。



6P つの 第2核心

チョックストーンを超えたら、少しルンゼを詰めていきフェースに取り付く。摂理は発達しているのでプロテクションはとりやすい。ただ垂壁のフェースとなりしっかりフッキングポイントを探していく必要がある。背中側の壁にステミングすることで傾斜を殺せるシーンもある。

フェースを越えたあとに出てくるカンテを超えるのに、どういくか迷うだろう。ヒントは草付。

7P norishimi

凍った草付きを使って登っていく。思ったより難しい。ジャルパインだけど面白い。状態で難易度は変わる。

03:00    上宝の道の駅
04:50    登山口を出発
09:00    左方カンテ登攀開始
12:00ー13:50 3p目リード(つの) 
13:50-15:00 3p目フォロー(norishimi)
15:30    3p目終了点からロープをFIXして、左方カンテの取り付きへ


03:00    起床
05:40    左方カンテ取付からユマール開始
06:20    ユマール完了(つの、3p目終了点に到着)
07:00    ユマール完了(norishimi)
07:10-09:50 4p目(リードnorisihimi, フォロー:つの)
10:00-11:15 5p目リード(つの)
11:15-12:10 5p目フォロー(norishimi)
12:10-12:20 つるべで5mほど、異動
12:30-14:10 6p目リード(つの, 2個目の核心)
14:10-15:00 6p目フォロー(norishimi)
15:00-17:00 7p目(リード:norishimi, フォロー: つの)
18:30    左方カンテ取付
20:30    岩小屋から下山開始
21:37    登山口

御在所 中尾根 冬壁(1/15)

P2 1P目

中尾根のP2とP1を登ってきた。ショートカットされることも多いかと思うが、中尾根の核心部になるはずだ。自分の担当したP2下部はあいにくRPできなかったが、ハング超えの一つ目の核心はフリーで抜けられたし、2個目の核心も、エイドして無理やり抜けられたのは成長を感じた。また25m続く威圧的なワイドのP1は、以前はビビってしまい別のラインから抜けたが、今回オンサイトできたのは、とても良かった。前日の雨でルンゼの氷は溶けて崩壊して、登攀中も時折、沢に降っていた。冬壁と書いたが、壁に氷は全くなくドライツーリングで登った。

御在所は関西から近くて良い山だ!

 

====記録====

裏道登山口へ続く林道のゲート前の駐車スペースに止める。
藤内壁一の壁を経由して、P2・P3間のコルへと登る。ルンゼは雪で埋まっておりIII級ぐらいのクライミングを交えて、ノーロープでコルまで行けた。

P2(1P目:10~15m、ツノ)

P2 1P目


核心1:コルの正面、右へ斜上するクラックを突いて登る(ボルトラダーの左側のライン)。過去に取り付き部分が崩壊したようで全然足が無く、初見だとビビるだろう。

ガバ足が無いので足は結晶を拾いつつ、斜上クラックにアックスを効かせてレイバックで一気にハング部分を超える。リップ上のスタンスへなんとか右足を乗せると一安心。さらに一段上の段差まで上がることができたら安心できる。吠えて突破。

核心2:1つめの核心を終えたあとは、クラックが広がりトルキングが効かなくなってくる。さらにフッキングポイントが限られるため2個目の核心となる。夏なら簡単にフットジャムを決めて解決できるのだろうが、冬靴だと難しい。上部核心はアックスの持ち替えで落ちてしまい、ムーブ解決に時間がかかりそうだったので、少し変な効き方の#4と、.75のカムエイドで超えた。
(ムーブ的にはクラック右側のフェースを使って、結晶へのフッキングを使って体を引き上げて、一気にガバ棚をつかむのだろうか。)
上手く決まるかわからないが#5があると、より安心できるかも。続く広めのクラックの右上が意外と悪かったので、途中のランナーのPetzlボルトとカムで終了点を作成。
トポだとIV+だが、ドライツーリングでグレーディングしなおすとM5かM6ぐらいあるのではないだろうか。
(#.1, #.5~2を2・3個、#4, #.75, #.4, Petzlと#.2, #.5で終了点)

P2(2P目:20m、Smz)
続いて伸びる広めのクラックを登る。クラックが広いため適切なランナーが取りづらく、リードはしんどそうだった。
(カンテを左側に回り込むと、ガバの階段となっていた。並行してクラックも走っているのでランナーも十分取れそう。こっちのほうが絶対に簡単。)

P2(3P目:15~20m、Ocho)
P2の頭に向けて走るクラックの強点を突く。足が全然無いため、しっかりフッキングを決めてムーブを考えて登る必要がある。いいピッチだった。
クラックの左から回り込むと、簡単になる。

P1(4P目:25m、ツノ、V+)
P2からクライマーズライトへ20mほどP1の取り付きへ懸垂する。P1へと太く真っ直ぐに伸びるワイドを登る。
内面登攀で登れるのでフッキングを使ったダイナミックなムーブは少ない。足が決まりにくく、かなり時間をかけてリードしてしまったが、ワイドクラック技術があればスピーディーに登れる。
ワイド内の登攀自体は、長く続くIV+~V-に感じた。取り付きからクラックに入り込むところが簡単に見えて実は核心の1つ目となる。クラック抜け口もフッキング技術が必要となる。
25mあるので、カムは2セット以上あると安心。トライカムなどを使えば重量を減らせる。ワイド内には色々な幅のクラックがあるので、カムは決めやすい。

06:00 冬ゲート前駐車場 出発
08:10 取り付き P2・3間コル
08:20 1P目クライミング開始
12:00 3P目
16:15 P1の頭
17:49 藤内沢出合
18:50 駐車場

屏風岩1ルンゼ~前穂北尾根~前穂東壁3峰リッジ(4月)



4/3
沢渡~バス1000円(10分)~中の湯~横尾
梓川は工事のため、右岸を除雪している。こちらを渡ったほうが早いらしい。保坂談。帰りは岳沢から使用した。行きも途中から使用した。明神館や、微妙だけど徳沢まではトレースあるが、それ以降はなさそうでズボリが多そう。;明神に行く手前の歩道が完全凍結してた 注意。1ルンゼの基部まで下見、右まで回り込まないと
あんまり良い箇所無いが、飛び石で川は渡れた。翌朝の飛び石は少し失敗して水につま先が浸かったが問題なし。

4/4
2:00横尾避難小屋~12:30(1ルンゼ終了点 樹林)~屏風の頭~14:30屏風のコル

1ルンゼ:最初はしばらくコンテで進み、2Pアイス、1P雪壁、コンテ、1P雪壁トラバース、1Pルンゼから草付きでトップアウト 計5P+コンテ

    1P目のアイスは、ステミング気味に登った、2P目は普通。どっちもIII級程度。
全装備担いで登ったのでしんどい。1Pロープを伸ばしてからコンテに切り替えて、屈曲部まで歩く。基本的に50m程度ロープは伸ばしている。
屈曲部のあたりからもコンテで進んだが、雪質が悪くなってきたので、途中の灌木からビレイしてもらう。ぼろい岩にカムを決めて、途中の灌木でビレイ。(ティミーさんが間違えたのであろうボロボロのルンゼがトラバース途中で見えた。)次は保坂リードで10m程度トラバースしてから、草付き登って、右のリッジに上がり、雪庇少し崩して?稜線に這い上がる。草付きはジャルパインで面白い。

4/5
4:00起床~6:25出発(屏風のコル)~15:30 3・4のコル
5峰か6峰からの下降:        巻けた。6峰?の木登りで1ピッチロープを出した。雪質が悪いと無理だと思う。
4峰の登り:            登りはII+~III- 4P。保坂がヘルメット落とした。
4峰から3・4のコルへの下降:    稜線沿いは懸垂下降が必要そうだったが、左から奥又白側から巻けた。岩を大き目に巻く。雪質が悪いと無理だと思う。
4・5のコル:        岩がある。山ノ中ニ有リの写真が参考になる。
            http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2016/161227maeho/

前穂北尾根は、どのピークからの下降も懸垂下降は必要なかった。
奥又白側に降りて、テントを張れる程度に雪を崩してからテントを張った。半半雪洞という感じ。

4/6    停滞
前日晩から朝にかけて雪が降った。対して積もらず。早朝と昼に除雪。稜線の風が強いので停滞。

4/7
03:00 起床
05:30 3・4のコル出発 荷物はデポ
12:00 3峰頂上
16:00 前穂高岳山頂
      奥明神沢下降   前穂山頂から明神に下降するとき出てくる最初のコルは下降点では無い。さらに奥のコルから下降する。
18:00 奥明神沢出合
21:00 釜トンネル
22:42 沢渡

3峰リッジ
東壁へのルンゼの下降はどこか気持ち悪い。
1P III+ 55mリッジを左から回り込み、すくりゅーは効かない程度を1段上がりルンゼを詰め、右側のリッジに乗り上げる。 末端から右のルンゼにも氷が張っているので、そちらから行くこともできる。どこでもクラックがあるわけではないが、要所要所にクラックはある。時々ハイマツあり。リッジを左から回り込むことで、2・3間リンネへのルンゼを少し登り、、Dfフェースの基部や、北壁松高カミンといった壁の様子を観察できる。
2P III 55m リッジを行く。 途中少し岩あり。 保坂がビレイデバイス落とした    
3P II リッジを行く。頂上岩壁の右基部でビレイ。右から3峰へのリッジにエスケープ可能 50m
4P IV+~V 核心。 3峰の頭へダイレクトに突き上げる浅めのルンゼ状を登る。冬壁らしいムーブが楽しめる。    30mぐらい

2・3間リンネ:スクリューは効かなさそうだが、核心は稜線へ飛び出す最後の氷だけという感じ。とりづらいだろうけど周囲の岩からも支点多分とれそう。傾斜があるのは稜線に出るところだけなので、スクリュー4本しかなかったが突っ込めば登れそうだった。1P目のルンゼを登る。

前穂頂上~3峰について
 3峰から前穂頂上付近まで60m2ピッチ分。コンテで行くべき箇所。
 
メモ: ザック用セルフのスリングだけで十分だった。
トライカム便利だった。evoのサイズで十分使える。すくりゅーの氷取る棒はあったほうが良い。

反省点
①3峰から3・4のコルへの下降、および②登り返しでの時間ロスが大きかった。
1点目:
角田が下降ロープをそのまま流したら、チョックストーンにひっかかり、ほどくのにかなり時間を要した。1時間ぐらい浪費。

2点目:
登り返しのときに、保坂に1P目のFIXを中間支点で1か所固定してもらったが、ロープの余長が無かったこと、クローブヒッチで止めてもらったことにより、ピンピンに張ってロープから動けなくなる
なんとか、上のロープに、アッセンダーをかまし体重移動できたが、これで相当時間を食った。FIXを張るときは余長を残すこと、手錠結びを使うことが必要。

3点目:
3峰からの下降およびFIXについて:1回懸垂下降を40m程度してから、さらに2PのFIXした。FIXは実質1.3P分程度。FIXを北尾根尾根の涸沢側に張ったが、逆層気味だったりと、単純に登り返ししづらかった。上からだとどこがラインかわからないが、奥又白側のほうが登りやすそうだ。

 

電波(docomo)は全箇所通じた。mountain-forecast.comは結構当たってた。良い。
やっぱりネオプレンソックス履くと、靴擦れがひどいことになる。下山後数日足が腫れて、水膨れもできる。
3峰リッジを登ったが、1峰との距離はロープスケール2P(120m分)なので、北壁~Aフェースといった終了点が頂上のルートと比較しても、そこまで距離に変化は出ない。次回は3峰リッジをわざわざ登らなくてもよいかも。時間が無いとき便利でしょう。

食料について
朝夕:            α米110g 腹持ちは良い。甘いの少なかった。ラードは忘れた。
レーション:        1.8-9kg準備、400-500g消費。 (行動4日停滞1日)
初日用の行動食:    パンは5個程度。(2-3日持った)
初日朝:        牛丼並盛、ゼリー3個程度

大豆ミートは100gで300kcalなので食料として悪くない。

 

単独 厳冬期 白山 縦断(一里野~石徹白/上在所)


2023/1/1~1/6に単独で厳冬期の白山を北から南へ約40kmの縦断をした(一里野~石徹白/上在所)。
空と地面の境界もわからないホワイトアウトや、爆風の中で完遂できた満足の登山だった。
個人的な冬山技術面での革新は、イグルーとスノーシューである。去年、イグルスキー@米山さんの講習で習得したイグルー技術があったからこそ、悪天になったらイグルーを作れば良いと鷹揚な気持ちで縦走が継続できた。結局使用したのは1日のみだが、風に強いイグルーはテントに比べてとても安心だった。またスノーシューの浮力/機動力は素晴らしく、ワカンだと今回の縦走は完遂できなかったと思う。
自分を受け入れてくれた山と天気に感謝したい。そして1月の白山を単独で登ることができて改めて嬉しく思う。

1/1 晴のち雪 6:30一里野登山口~10:00檜倉~16:09 1570m地点 
 今回初めて使用するスノーシューが調子良く、快調に歩みをすすめる。そうはいっても重荷のせいかスキー場のゴンドラ終点まで3時間近くかかる。うまくいけば奥長倉避難小屋までたどり着けるかと思ったが、檜倉を超えるとスノーシューでのラッセルとなり、1570m地点の木のふもとで幕営

1/2 雪 10:00 1570m地点~15:15奥長倉避難小屋
 朝の炊事中に、一酸化炭素中毒で失神した。前夜も実は水作り中にぶっ倒れていたのだが、中毒に気づくこと無く疲労困憊のせいかとそのまま寝てしまった。しかし2度目となる朝の失神はかなり危険で、本当に死ぬところだった。朝は外が吹雪いていたのでテントの入り口はごく小さく開けていたのだが、換気が不十分だったようだ。炊事中に倒れたあと、何分後かはわからないが運良く意識を取り戻すことができた。必死で這いつくばってテントの外へ頭を出した。吹雪も関係なく、手を地面に付き肩で息をすることを何分か続けた。自発的に酸素を取り入れることができず、肩の動きと弱った心臓の動きが連動している感覚があって、もし肩で息することを止めたら心臓は止まってしまうだろうと直感した。死への恐怖を感じる余裕もないほど死に近づいた感覚があった。思い返すほどに恐ろしい。原因としては換気不足だが、何年間もこのような経験はなかったので、ジェットボイルのバーナーが不調で完全燃焼できてなかったことや、通気性のないクロスオーバードームとの組み合わせが良くなかったと思う。
体調が少し戻ってきたように感じた10時ごろにテン場を出発したが、まだ一酸化炭素が体に残っており全然足が進まない。空荷でラッセルしてトレースをつけた後に歩荷することを何回か繰り返した。1,2時間すると調子が少しずつ戻ってきてなんとか奥長倉避難小屋にたどり着いた。

1/3 雪~晴 6:10奥長倉避難小屋~14:30四塚山
 雪庇に気をつけながら縦走を続ける。樹林帯の中なので目標物があり雪庇のケアはしやすい。ただガスのため視界は開けず、特異な滝壺で有名な百四丈滝は見えなかった。樹林帯を超えてしばらく経った四塚山で、少し時間は早いがイグルーを作ることにした。去年何回か作ったが、まだ慣れないイグルーは完成するのに結局3時間かかってしまった。夕方になると晴れてきた。

1/4 ホワイトアウト~風雪~晴 11:00四塚山~15:00御前峰2702m~16:00南竜山荘避難小屋
 朝6時に出発しようとするもホワイトアウトで全く周りがわからない。1m先が空なのか地面なのか、そして地面の傾斜も全くわからない。前日に尾根上には雪庇が形成されていないことは確認していたが、視界が無い状況では怖くて足が進まなかった。イグルー内で待機し、太陽が上って少しホワイトアウトが弱くなったように感じた11時頃に無理やり出発。雪玉を足で転がしたりピッケルで地面を叩くことで、何度も地面の傾斜を確かめながら文字通り石橋を叩くようにして進んだ。大汝峰あたりに着くと視界は少しマシになったがきたが風も強くなった。ホワイトアウトナビゲーションや、GPSを使って現在地確認しながら一気に御前峰に登頂し、室堂経由で南竜山荘まで下山。このあたりは雪崩の危険性が気になっていたが、幸い雪は安定していて問題なかった。室堂や南竜山荘へ行く途中は樹氷の立ち並ぶ素晴らしいゲレンデとなっており、次回はスキーで滑りたいと強く感じた。

1/5 曇り雪~ホワイトアウト~強風雪 6:15南竜山荘~15:30三ノ峰避難小屋
 縦走を続けるマシンと化した自分に対するささやかな抵抗として、ノロノロと朝の準備をした。ホワイトアウトは怖いし動きたくない。それでも出発し、南竜山荘から少し下ってから約200mほど登り返して稜線に出る。稜線にでると風が非常に強い。ホワイトアウトのせいで進路がわからなくなったり、変な斜面に入ってしまうことも何度かあったが、あの手この手で縦走を続けてなんとか三ノ峰避難小屋までたどりついた。特に氷化した斜面の下がハイマツ帯や岩で空洞になっている場所は、踏み抜いてバランスを崩すと非常に危なく、スノーシューをアイゼンに履き替えることを手間だけど何度か行った。入り口が埋まった三ノ峰避難小屋を掘り返して泊まる。

1/6 ホワイトアウト~曇り~のち晴 6:30三ノ峰避難小屋~10:15神鳩ノ宮避難小屋~11:50石徹白登山口~14:42上在所
 朝方は曇っており視界が無くて行動が難しかったが、段々と晴れていき、銚子ヶ峰をすぎる頃には晴れ渡って春山のような雰囲気だった。スノーシューを活かして駆け足で石徹白の登山口まで下る。標高を下げるほどに、春のようなザラメ雪が足を柔らかく包み込んで下へいざなってくれた。最終日にして気が緩んだのか左足太腿に出てきた筋肉痛のような鈍痛をかばい、雪に埋もれた林道をノロノロと5km歩き上在所へ下山。

 

感想
技術的な面で言うと歩きが主なので、日程の余裕と多少の悪天でも動けて好天時には一気に歩みを進める能力さえあれば達成できるのかなと思う。また白山は初めてだったので雪崩について不安を感じていたが、地形図から予想する雪崩リスク地点の積雪は安定しており今回は危険性をほとんど感じなかった。