滝谷 第2尾根 P2フランケ芝工大ルート
P2フランケ芝工大ルート5P目
1日目
時間
前夜に韮崎でピックアップしてもらい、松本あたりで寝る。朝9時ぐらいまで寝てから、新穂高に車を泊めて滝谷へ。晴れわたる青空と雪のコンディションは、まるで4月のようだった。
11:45新穂高温泉 無料の駐車場
13:30 穂高平小屋
16:00滝谷避難小屋
2日目
3時半、滝谷出合から歩き出す。雄滝は左岸のIII+~IV-級5mぐらいのアイスを登ったが、アックスを全然研いでなかったし、アイゼンの前爪も丸まってて全然決まらず怖かった笑。
ザックを第四尾根末端で一つにまとめておく。あのあたりは少し樹木が出ている。
第2尾根 P2フランケ芝工大ルート/南峰チムニー
1P目ホサカ 30m 4mの壁を乗っ越して雪壁
2P目つ 50m 雪壁登り岩尾根上でビレイ
3P目ホサカ 20m IV+ 岩尾根を登りルンゼに入る基部でビレイする。古い残置アンカーあり
4P目つ 30m M4 核心 フッキングで登る 。グレーディングするならM4(しらんけど)
5P目ホサカ 15m 稜線へトップアウト
P2の基部まで来ると、クライマーズライトに登山体系の概念図と一致する壁が出てくる。
1P目
そのま雪壁をまず登っていくが、ワンポイントの悪場がでてきたので、ロープを繋いで登攀開始。ワンポイントだがムーブがあり、面白い。(もしかすると迂回できるかも)
2P目
そのまま、つるべでロープを伸ばす。岩肌の上に、雪が積もった感じでリードとしては少し怖かった。
3P目(IV+)
岩尾根の上に乗り、20mぐらい登って、ルンゼの基部でビレイ。
4P目(M4 30m)
ルンゼに入り、核心がはじまる。最初は、手を使って登れる簡単な岩を登っていくが、徐々に難しくなり、ホールドが細かくなってくるので、フッキングで登った。足は側壁に張れたりするが、フッキングポイントが少し甘いが、傾斜は90度以下なのがマイルドポイント。
クラックは錫杖に比べると少ないので、取れるところでランナーは取る必要がある。
手持ちのカムが少なくなったので、途中で切ったが、強い人ならつなげることはできると思う。
5P目(M3~M4 15m)
トップ写真。凹角に走るクラックがきれいになる。そのままP2の頭へ抜ける。
(グレーディングは適当です)
南峰チムニー
登山体系だとIII級だがガバホールドは全く無くて、難しかった。デシマルグレードで5.8~つけて良いのでは?アイゼンでワイド登りができる必要がある。ホサカは1~1.5hでリード。上部20mいったあたりでは何メートルもランナー取れてなかったし、やはり彼は強い。
俺はザックを背負ってフォローしたが登りきれなかった。チムニーに入るためザックを腰に垂らしたがやはり厳しかった。しょうがないのでユマールに切り替えたが、登るのにかなり時間がかかり、途中でロワーダウンで降ろしてもらう。摩擦でロワーダウンにかなり時間がかかった。
下山
取り付きに戻ったら18時ごろになってた。俺は少々ヨレてたと思う。暗闇で怖い中、C沢の左俣の左俣を下降した。途中で懸垂など無し。荷物はホサカが持ってくれて、さらに彼が先導する中で降りた。標高を下げていくと、変な雨が降ってて大きな雪団子が毎回、足について面倒だった。
雄滝で1P 懸垂。ちょうどよいアンカーとなる木が雄滝の傍になかったので、雄滝左岸のごく小さな尾根を乗り越えて、アイスの発達する小ルンゼを40m下降。
時間
02:00 起床
03:30 出発
06:50 P2フランケの取付
12:45 P2の頭
~コンテで南方チムニー取り付きへ。ロープ60m出してのトラバースは、ロープが長すぎてロープスタックして処理に手間取った。コール聞こえない~
14:00 南峰チムニー取り付き
15:15 保坂1p目終了 リード1-1.5h
18:00 南峰チムニー取付
22:00 滝谷避難小屋
24:00 新穂高温泉
概念図
出合から見た滝谷
(間違ってたらすみません(汗)。)
感想
久しぶりにホサカと登った。
山でロープを組むのは3年ぶりだと思う。積もる話ができた。昨年のシブリン遠征の話を直接聞けたのは良かった。さらにGiri Giri Boysの強さの秘訣や、GiriGiri Boysに続くアルパインクライマーが出てこない理由などを色々と議論出来てよかった。
一方で山岳ガイドを目指す彼と話すことで、自分が人生において選んだ選択肢、そして選ばなかった可能性について考えさせられた。
隣の芝は青く見える。
得なかったもの・選ばなかったものについて、人はどうしても意識が向いてしまう。そうでは無くて、得たもの・現在手に持つものに意識を向けることが、これからの人生を発展させるのだと思う。
自身を顧みると、直近の6年間は何とかヒマラヤに再挑戦したくて、モラトリアムの延長を続けた。けれど実際のところ山をやり込めなかった。それは結果的に見ると、当時の自分の無意識的な選択「山を優先しない」ことの現れでもある。一方で、この判断が自分自身の能力に対する過剰評価・そして慢心も含むことについて大きな後悔を感じる。
過去は絶対に戻ってこない。
この一瞬しか存在しない現在に集中し、手札の許す範囲で登り続けて能力を上げること、そして必ずめぐってくるヒマラヤへのチャンスを信じ続けること、そんなことを思える登山だった。
P2の頭にて
P2フランケ芝工大ルート4P目
(写真真ん中から右上する壁が第一尾根。尾根上部に見える、岩が灰色になったエリアが近年、壁が崩壊した地点とのこと グレードはM7~M8!)